津波が来たら防波堤出現 三菱重工など、和歌山に建設へ 三菱重工業と大林組、東亜建設工業の3社は29日、津波のときに浮き上がらせる防波堤を和歌山県海南市の和歌山下津港につくると発表した。「世界初の技術」といい、ふだんは海底に埋まっているため、船の航行にも影響がなく、景観も損ねない。10月初旬に着工する。 政府は、計230メートルの可動式防波堤を2020年までに建設する計画で、今回はその一部の10メートルを建設する。受注額は7.3億円で、13年2月までに完成する予定だ。 「直立浮上式防波堤」と呼ばれ、海底に2層構造の鉄鋼製パイプを何本も並べて壁をつくる。津波が来るという情報が入ったときには、ここに空気を送り込んで圧力をかける。すると、内側のパイプが海面から7.5メートルの高さにわずか10分足らずで伸び、防波堤ができる。 三菱重工は「防波堤の建設が難しい港湾などで役立つ」と期待。海外への売り込み