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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (27)

  • ひさびさに背筋が凍った「暗い森の少女」

    こわいとはこういうもの。小説読んでて、久しぶりに「こわい」「おそろしい」「もうヤメテ」体験をした。ラストに説明を求める人は、その禍禍しい終わり方に読後感サイアク気分をたっぷりと味わえるだろう。 人よりはグロ・ヘンタイ・血まみれ耐性はあると思っていた。しかし、この正統派ゴシックホラー(救いなし)を読むうちに、何度もゾっとさせられたことは白状しておく。 とはいえ「正統派」なので展開はすぐに見抜ける。今の読者ならほとんど分かるに違いない。ほら、あれだ。80年代に流行ったホラー映画のアレ。伏線を張って「来るぞ来るぞ~」と読者に思わせておいて、やっぱり、 というやつ。いわゆる「お約束」をキチンと守ってくれる。でも13金のようなビックリ箱みたく脅かすだけの小説ではないし、最近の低級な「読者を騙す」叙述系でもないので、ご安心あれ。ストーリーとキャラでじわじわ怖くさせて、バーン!!とくる。 スレっからし

    ひさびさに背筋が凍った「暗い森の少女」
  • ネタバレ禁止「我らが影の声」

    やべ、一行たりとも感想が書けない。このblogを選書の参考にしている奇特な方もいらっしゃるようなので、書けない。どう書いてもバレになる。こんな小説は珍しい。 常態から異常事態へ。このお話を「狂気」の一言で片付けられたらどんなに嬉しいことか。しかし、どこも狂ってないのがおそろしい。だいたいヒトを「正気」と「狂気」の2色で塗り分けようとすること自体がおかしい。正気の中にも狂気を宿し、狂っていても一貫性を見出そうとするのが、ヒトだ。 これは、その変移を味わう小説。賛否両論の「驚愕のラスト」は○○○○したが、「他にどんな終わり方を望む?」と自問して、飲み込んだ。 兄が死んだのは、ぼくが十三のときだった。線路を渡ろうとして転び、第三軌条に触れて感電死したのだ。いや、それは嘘だ。ほんとは……。ぼくは今、ウィーンで作家活動をしている。映画狂のすてきな夫婦とも知り合い、毎日が楽しくてしかたない。それなのに

    ネタバレ禁止「我らが影の声」
  • ネコ好き厳禁「D-ブリッジ・テープ」

    グロ。通常、グロはエロとセットなのだが、エロは皆無。オススメいただいて[参考]、かなり期待して読んだのだが、残念!。非常に楽しく読ませてもらった。大感謝。悪や自傷シーンは人によると吐くかもしれないので、ご注意を。あらましはこんなカンジ(amazonD-ブリッジ・テープ(沙藤一樹)紹介文を引用) 近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が… 確かに凄まじい読みどころがある。○○を○○する場面は日人の書いたものではピカイチだろう。しかし、いかんせんリアリティが…とツッコミを入れた時点で萎え。これは筆力ではなく著者(と編者)の経験値が足りない

    ネコ好き厳禁「D-ブリッジ・テープ」
    adramine
    adramine 2005/08/11
    例の劇薬小説。
  • 劇薬小説を探せ!

    はてな「読後感サイアクの小説を教えてください」で教えていただいたものを、片ッ端から読んでいる。質問[ここ]からピックアップしてみた。すげぇ楽しみ。ゆえに評価はすげぇ辛口になるはず。(最新の劇薬小説リスト&レビューは、劇薬小説【まとめ】にまとめてあるよ) 劇薬小説とは 読了して後味の悪い思いをした小説を指す。読んだことを激しく後悔するような、いやあぁぁぁな気分にさせてくれる。下らなくて情けなくなる「壁投げ」ではない。また、マンガを含めると莫大になるので、対象外とする(ちなみに劇薬マンガNo.1は日野日出志「地獄の子守唄」)。 エロだったりグロかったり、救いがなかったり 大の大人なのに怖くて夜に読めなかったり 読了してヘコんだり、生きる気力が奪われたり 生理的にクるものに、おもわずマジ嘔吐したり その後、人生のトラウマと化したり 小説はしょせん絵空事。リアルでない物語に実人生を侵されるほ

    劇薬小説を探せ!
    adramine
    adramine 2005/08/04
    <q>人間をやめるわけにはいかないので、やめたつもりになってみるぞジョジョオオオォォォーーーーーッ!</q>
  • はてなでの「情報共有」のやり方

    Foresight7月号の「シリコンバレーからの手紙106」は、はてなの情報共有のやり方が紹介されている。前のエントリーで提案していた社内ブログ[参照]がほぼ完璧な形で実施されている。梅田氏によるとこうだ。 私が、はてな仕事を始めて、まず不思議に思ったのは、彼等が社内で電子メールをあまり使わないことだった。その代わり社員全員が、ビジョンや戦略の議論、新サービスのアイディアから、日常の相談事や業務報告に至るまで、ほぼすべての情報を、社内の誰もが読めるブログに書き込む形で公開し、瞬時に社員全員で共有するのである。 Foresight7月号「スピードとパワーの源泉『情報共有』という組織原理」より 一方、大きな組織だとこうはいかない。組織の情報は隠蔽されていて、権能により開示される。情報を握ったものが組織を生き抜くという原則…と、 情報共有型 はてな vs 情報隠蔽型 大企業 で論が展開されてい

    はてなでの「情報共有」のやり方
  • 「夏のロケット」と「なつのロケット」

    まなめはうすでベタ誉めだったので読んでみた。これがスマッシュヒットだった。面白いよーと一気に読める「夏のロケット」(川端 裕人)は、最後までハラハラさせられ通しだった。 高校の同級生が集まって、ロケットを作って宇宙まで飛ばしてしまおうとする「青春小説」なのだが、そこへ至るまでのウヨキョクセツとトラブルの数々がすごく良く書けている。ネタバレになるが、ラストのロケットの打ち上げに成功するシーンまで読んだなら、きっと感動するはず。いつのまにやら登場人物の誰かに感情移入している自分に気が付いて。読者をここまで連れてくる筆力はスゴいと思う。 ただ、ロケット工学の考証に濃淡があり、綿密に検証して書いているトコもあれば、科学的根拠をスルーして強引にお話を進めているなぁ、と思ったトコもあった。やるならトコトン勉強して緻密に書いてほしかった。 この小説に出てくるのが「火星年代記」で、劇中劇ならぬ小説小説

    「夏のロケット」と「なつのロケット」
  • Weblog about Project Management

    ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントを真正面から扱ったブログは、実際のところかなり少ない。プログラマやSEがマネジメントの必要性を痛感して記事にするのがほとんど。かくいうこのブログは「スゴい」を紹介するつもりがPMBOKにハマってしまったヘンな例といえる。 ここではソフト開発PMに特化したブログを紹介する。さらに、日語で読めるブログは皆さんご存知だろうから、英語のブログにしましょ。 Focused Performance Business Blog 毎日の巡回先。マネジメントに関するツボを突いた実践的なネタが多し。ソフトウェア開発に限らず、ビジネス全般への目配りを忘れていないところが二重マル。読みやすい英語なのだが、TOCやクリティカルチェーンのバックグラウンドがないと難しいかも。 マイクロソフト社の David J. Anderson 氏のブログ。"Agile Manag

    Weblog about Project Management
    adramine
    adramine 2005/03/22
    技術系の本(英語)のレビューサイト紹介。