S「……実は肥満なのでは、と先日ふと想像しまして」 M「なんですかそれ。食べ過ぎで太ってるのでダイエット産業が発達して、とかそういうことですか」 S「いやいや、そういうことじゃなくてね。うーむ、むしろこう言い直したほうがいいのかな。アメリカにおける消費……特に二十世紀後半になってからの大量消費……というのは、昨今の世界経済の中では一種の『労働』と看做したほうが解りやすいんじゃないかと」 M「????」 S「そういうふうに妄想すると、財政赤字で貿易赤字で家計も赤字のアメリカが、ドルをばんばん発行しててもちゃんと受け取ってもらえてた理由が、納得できるなあと思ったわけですよ。 つまり、他の国(たとえば日本)は普通の『労働』をして製品を生産してアメリカに売る。アメリカは製品を消費するという『労働』をこなす。その取引の証書としてアメリカから日本へドルが手渡されるけど、これはどのみち投資という形でアメ