このところ、毎日ニュースを見聞きするたびに憂うつになる。トヨタが従来予想の6000億円の営業黒字から1500億円の赤字に落ち込んだとか、派遣社員を解雇する企業が急増しているとか、暗いニュースばかりだ。 確かに、「日本一のもうけ頭」である超優良企業のトヨタの業績悪化は、急激な円高、国内外の個人消費の落ち込みなど実体経済の反映でもある。“派遣切り”の実態を国民に知らせることは、政府に本格的対策を迫るという意味でも、大事なニュースのテーマであることはわかる。 一方、忘年会などで繁華街に足を踏み入れると、町には大勢の人が繰り出している。若い女性たちは着飾って、くったくない笑顔で友人とおしゃべりし闊歩(かっぽ)している。男子学生や若いサラリーマンも仲間と騒いでいる。シニア世代も身なりはいいし、どこが不況なのかと思いたくなるほどだ。 このギャップが、いわゆる二極化現象なのだろう。明るい顔の人は、