「ミツバチの調達量が6割も減った」。千葉県のある農家は困り顔で話す。15年前からスイカの花粉交配にミツバチを使っており、例年、養蜂家からミツバチを20箱借りていた。しかし今年、調達できたのは8箱。スイカの作付けを5分の1に減らし、スイカ畑の一部は家族総出で人手による交配を行っている。作付け減少を補うため、単価が高いブルーベリーを植えたが、これにも交配にミツバチがいる。業界でミツバチ急減の実態が言われ始めたのは、昨年の秋以降。交配用ミツバチの販売業者は「調達状況は過去最悪。養蜂家からの仕入れも半減した」と嘆く。調達難からこの業者は販売価格を1・5~2倍に値上げした。養蜂家のレンタル料も上昇しており、農家では“交配コスト”の高騰に頭を痛めている。 農林水産省の統計では、2008年はハウス栽培に使われる花粉交配用ミツバチの数が1割強減少。現場の状況は深刻さを増しており、農水省も腰を上げた。全国各