経営再建中のシャープの2015年4〜6月期の連結営業損益が300億円台の赤字になる見通しとなった。主力のスマートフォン(多機能携帯電話)向け液晶パネルの中国市場での販売が不振だったのが響いた。4〜6月期の営業赤字は、12年の941億円の赤字以来3年ぶり。 シャープは5月中旬時点で、4〜6月期の営業赤字を約300億円に抑える目標を掲げていたが、赤字幅は拡大した。中国のスマホ大手向け液晶パネルの需要が低迷し、競争激化もあり価格が下落。同様に価格下落が進む液晶テレビ事業でも赤字が続き、太陽電池事業の採算も苦しい。 シャープは15年9月中間期(4〜9月)に100億円の営業利益を上げる目標を掲げているが、中国経済の減速でスマホ向け液晶パネルの需要回復のめどは立たず、目標達成へのハードルは高まっている。【宇都宮裕一】