(上)“ルーピー”鳩山首相編 「『暴力装置』でもある自衛隊、ある種の軍事組織でもありますから…」 どうにも影の薄い菅直人首相を差し置いて、臨時国会ではすっかり政権の主役として君臨した仙谷由人官房長官。口を開けば失言、暴言、迷言がポンポンと飛び出した。 中でも強い印象を残したのは、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐり、中国人船長を釈放した政府の対応を追及されて発したこの一言だろう。 「弱腰だというが、『柳腰』という、したたかで強い腰の入れ方もある」 柳腰は元来、女性のしなやかな腰つきを示す言葉。ご本人は「二枚腰」「粘り腰」のような意味で使ったのだろうが、明らかな誤用であり、外交関係を表すには、あまりにも不適切な表現だった。 ただ、誇り高き仙谷氏は誤りをやすやすと認めはしない。「私は女性ほど強いものはないと思っているし、柳はどんな強風が吹いてきてもゆらゆらとゆれながら、したたかにしなやか