■日本を危険にさらす護憲派 産経新聞が創刊80周年の記念事業として昨年4月に発表した「国民の憲法」要綱の起草委員会委員長という大役を著者に務めていただいた。 起草段階には、佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授、西修・駒沢大名誉教授、大原康男・国学院大名誉教授、百地章・日大教授の4人の委員とまさに熱論を繰り広げた。 委員長は名だたる論客の意見を集約し、起草の方向舵を握る大役だ。起草委の事務方の一人として今も非常に感謝している。本書を読んで、その念はさらに深まった。 広大な知見を有するまさに慧眼(けいがん)の士がその任に就いていただいたこと、そして本書が「国民の憲法」の詳細な解説書にもなっていると考えたからである。多くの事実や歴史的背景を示しながら、たたみかけるように論を展開する筆致は報道界出身ならではだ。 人に人柄があるように、国にも「国柄」がある。現行憲法の前文にはその「国柄」が全く感じられない。