食糧危機が深刻化している。世界規模での人口爆発に伴う需要増、特にBRICsをはじめとした新興国の生活水準向上に伴う食糧需要が急増する一方で、地球温暖化による気候変動や水資源不足に伴う収穫不足が進み、需給バランスが崩れてきていることが主な原因である。しかしそれ以外にも近年の原油価格急騰による輸送価格上昇や、バイオエタノール開発積極化に伴うトウモロコシ価格の急騰、運用難を理由とした投機資金の商品相場への流入といった様々な要因が追い討ちをかけている。 日本国内を見渡しても貿易摩擦解消と安価な購入を狙い輸入に依存した結果、今では食糧自給率は4割を切るところまで低下、世界的な食糧価格の上昇は6割以上を輸入に頼る日本の家計も直撃する事態に至っている。また、例え価格上昇に耐えられたとしても中国製毒入り餃子問題といった「安全」にまつわる新たな問題も浮上、「量」だけでなく、「質」の食糧危機も迫っている。