魚が好きで、釣りも好きな私にとって、水族館と並んで、生きた魚を身近に感じられるのが釣り堀だ。日頃から自然の中で釣りをしている人は、「釣り堀なんかで釣って何が面白いんだ」と思うかもしれない。しかし、限られた場所、時間、道具立ての中で、釣り堀のお兄さんから「魚が慣れちゃっててなかなか食わないかもしれませんが……」とまで言われる中、工夫を凝らして他の釣り人より多くの魚をポンポンと釣り上げられると、なかなかの快感である。自然の釣り場と違い、魚が確実にそこに居る点では、純粋な知恵比べと呼べるかもしれない。 *本文とは関係ありません。 ところで、「魚が慣れて食わない」とはどういう状況か考えてみると、釣り人が使う餌や仕掛けを覚え、回避するようになったことが想定される。魚がいるのに釣れない「スレ」の原因は魚の学習にある、というわけだ。そこで本稿では、Beukemaの学習説を紹介する。前回紹介した「同種の魚