「数学に挫折した」という経験を持っている者ではありますが、数学的な考え方というものは、「かしこく」生きるのに役立ちそうな気がしています。 私自身、中学や高校のころは、数学ができる人を自分とは頭の構造が違うのだろうと思っていました(笑)。 数学というのは、人類が都市国家を造った紀元前3500年前位から、長い歴史を持った学問です。そうすると私達は、足し算引き算といった非常に初歩的なことから始まって、それが段々と発達して現在の数学へとつながったのだと思いがちですが、実はそうではありません。古代バビロニアでは、すでにルート2の小数点以下5桁くらいまでの正しい値が出ていました。ですから計算の技法から言ったら、大変進んでいたのです。しかし、その数学の長い歴史の中で、「論理」というものが生まれたのは紀元前500年くらい。それまでは「この場合は、この値になる」という点ばかりに注目されていたんですね。今で言