前回の記事「「2つのボールをぶつけると円周率がわかる」らしいのでシミュレーションしてみた」の続き。 この記事では、衝突回数が円周率(の適当に桁をズラした値)になることを解析的に導いてみます。 大人になってからの再学習 『2つのボールをぶつけると円周率がわかる』 目次 問題設定 ▷ 回衝突後の速度 を求める(行列を用いた表式)▷ を求める▷ を求める▷ と衝突回数 との関係▷ 問題設定質量がそれぞれ の2つの質点 を考え、以下のような初期状態から運動が開始されるとします: の初速度はそれぞれ とします(つまり質点2は最初静止している)。 質点同士の衝突と質点2と壁との衝突はどちらも完全弾性衝突(反発係数 )であるとし、衝突が起こらなくなるまでその衝突回数をカウントすると、その回数が になることを示します。 ここで角括弧 [ ] はガウス記号*1です。 回衝突後の速度 回数をカウントする衝突に