今回から平面走査法という手法による、線分の交差検出について解説します。この手法を使うことで、多数の線分の中から交点を高速に見つけ出すことができます。 はじめに 計算幾何学では、巨大な入力データを扱う可能性を想定して、計算量の少ない効率的なアルゴリズムの追求が行われます。今回からは、線分の集合から交差を検出する問題を取り上げます。平面走査法と呼ばれるアルゴリズムを使用することで、総当たり式の実装に比べ、計算量を大きく削減できることを見ていきます。 多数の線分から交差を見つける 前回、線分を表すLineSegmentクラスを作成し、2つの線分が交差するかどうかを調べるintersects()メソッドや、交点座標を求めるgetIntersectionPoint()メソッドを実装しました。 さて今後、プログラムの扱う線分が100個、1,000個、あるいはそれ以上に増えたときのことを考えてみましょう
