前回と前々回では、NSBrowserやNSTableView周りのクラスをAdapterとして紹介した。だが、Adapterの第一義的な目的は、異なるインタフェースを組み合わせる事である。今回は、この意味に近いものを取り上げよう。 Mac OS Xの「Kit」 Mac OS Xには、Cocoaの他にもたくさんのフレームワークがある。その中には、「Kit」という名前を持つものがいくつかある。この名前は、どうやらC言語(つまりCarbonベース)や他の言語のAPIを、Objective-CとCocoa用にラップするフレームワークに与えられるようだ。つまり、GoFの定義でいうことろの、Adapterになる。 例を挙げてみよう。次のようなKitが存在する。 Web Kit Webページを表示するためのフレームワーク。詳しくは、後述。 QT Kit QuickTimeを操作するためのフレームワーク。