2017年の東京モーターショーで、マツダは2台のコンセプトカーを発表した。いずれも、2012年以来のマツダ車の共通コンセプト「魂動デザイン」を深化させたものだ。一般的にコンセプトカーは展示会で見せるだけで、市販車とは直接つながらない。しかしマツダのデザイナーたちは、エンジニアが計測を始めるほどリアリティーのあるコンセプトカーをつくる。なぜそこまでやるのか? マツダ車のデザインを掘り下げる本シリーズ、今回はデザイン部門トップ・前田育男常務のインタビューを池田直渡氏との対談形式でお届けします(前編、全2回)。 2017年の東京モーターショーで発表した「マツダ VISION COUPE」。コンセプトカーなのだが、市販車として出せそうな現実感のある仕上がりになっている。 デザイン全体を束ねてブランドの表現に結びつける 【池田】今回は前田さんに、マツダのコモンアーキテクチャー戦略とは、デザイン部門か