薬の副作用による脱毛といえば、真っ先に抗がん剤が思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、薬剤による脱毛はそれ以外のさまざまな薬でも起きます。どのような薬にリスクがあるのでしょうか。横浜労災病院皮膚科部長、齊藤典充さんの解説です。【毎日新聞医療プレミア】 ◇生理時に鎮痛薬を多量に飲んでいた女性 薄毛の悩みで受診した20代の女性。診察しても原因がはっきりしません。何か薬を飲んでいないか聞いてみました。「病院には行ってないし、毎日、飲んでいる薬はありません」と言います。そこで「生理痛や頭痛はありますか? なにか痛み止めは飲んでいますか?」と問い直すと「痛み止めの薬なら、たくさん飲んでいますよ」。 髪の診察でどうしてそんな質問をされるのか驚いた様子だったので、「お薬で髪の毛が抜けることがあるのです」と伝えました。すると、生理痛がつらくて、いつも鎮痛薬を指定の用量以上飲んでいると話してくれました。