ベネッセホールディングス(HD)の顧客情報流出事件で、逮捕された元システムエンジニア(SE)、松崎正臣容疑者(39)が持ち出した情報が少なくとも14の名簿業者に流れていたことが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は転売先は数百社に上るとみて、松崎容疑者を不正競争防止法違反の疑いで再逮捕し、全容解明を進める。 取引への関与が判明した14業者は警視庁の事情聴取に対して、いずれも「ベネッセの情報とは知らなかった」と説明しており、業者の同法違反容疑での立件は困難な見通しだ。 捜査関係者によると、松崎容疑者が顧客情報を持ち込んだことが明らかになっているのは、東京都千代田区の名簿業者。一方、ソフトウエア会社「ジャストシステム」が約257万件の顧客情報を買うまでの間に、都内の別の名簿業者や名簿業者「文献社」など、4~5業者が取引に介在していたことも判明した。