大阪地裁岸和田支部の無罪判決が確定した暴行事件の元被告らが通院し、犯行現場とされた病院。元被告の男性は事件をでっち上げられ嵌められた。勾留は1年2カ月に及び、その間に失った代償はあまりにも大きかった=大阪府岸和田市内 きっかけは自転車の“拝借”。暴行事件をでっち上げられた末に1年2カ月の勾留。そして、「無罪」で取り戻したはずの日常からは「家」が消えていた。現実に起きたこととは思えない、こんな事態に巻き込まれた人がいる。顔見知りの男性を殴るなどしたとして暴行罪に問われ、2月3日、大阪地裁岸和田支部の無罪判決が確定した岩本晋太郎さん(63)=仮名=だ。奇妙な展開を経て事件の「真相」は明らかにされたが、公判を終えた岩本さんが向かうことになったのは、生活保護の申請窓口だった。窃盗「チクり」で逆恨み? 平成24年8月、大阪府岸和田市内のある病院。始まりは、通院患者だった岩本さんが、歩いて10分ほどの