芸術作品を見たことがある、とはどういうことだろう。「モナ・リザ」の表情は誰もが思い浮かべられるが、油彩で描かれた実物を見たことがあるとは限らない。画家本人が描いたものと複製されたもの、写真に撮られてデータとなったもの——それらが全く違うと言い切れる根拠は、果たしてどこにあるのだろう。 3DCGや3Dプリンターを駆使する彫刻家、萩原亮(はぎわら りょう)の作品は、純粋な形や素材の表情と共に、現代における複製技術の在り方も描き出す。最小限の線で表現された動物たちの生命感あふれる姿は、萩原の手によって仕上げられた実物を直接見るのみならず、鑑賞者が3Dプリンターを用いて複製し、レプリカや二次創作として手元で楽しむ選択肢も開かれている。 コロナ禍における制約から3Dプリンターを使い始めた萩原。その時期が去ってなお、造形手段として、さらに作品を世に広め思考を続けるメディアとして3Dプリンターを活用し続
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