「ビザンツ帝国」という国に関心があります。教科書ではマイナーな扱いですが、じつは世界史を理解するうえで重要な国です。これまでビザンツ研究の大家・井上浩一さんの著作(『ビザンツ 文明の継承と変容』京都大学学術出版会)を中心に、何冊かの本を読んできました。 私がビザンツ帝国に興味をひかれるのは、そこに現代の世界(とくに先進国)と重なるものを感じるからです。とくに、その初期の200~300年間の頃(西暦600~700年代の頃まで)のあり方について、そう思います。井上教授も「現代世界のビザンツ化」ということを述べています。 ではビザンツ帝国とは、どんな国だったか。 *** ビザンツ帝国とは、ローマ帝国が300年代末に東西に分裂したあとの東半分をさします。そこで東ローマ帝国ともいう。なお、ローマ帝国の西半分(西ローマ)は、今の西ヨーロッパにあたる地域です。 首都はコンスタンティノープルという、今のイ