いなくなってほしい人間に向けて小さなスイッチをカチと押す。すると、相手はたちまち消えうせ、もともと存在しなかったことになる。「どくさいスイッチ」は『ドラえもん』(藤子・F・不二雄さん)のひみつ道具の中でもおっかない▼野球でのへまをののしられた、のび太はつい、ジャイアンを消してしまう。次にスネ夫を。最後には、「だれもかれも消えちまえ」。結果、世界にいるのは自分独り。子どものころに読んで震えた人もいるか▼日本維新の会の馬場代表。五十八歳は小欄と同じ世代だが、『ドラえもん』は読まなかったか。最近のインターネット番組で共産党について「日本からなくなったらいい」と述べたそうだ▼立憲民主党には「立憲がいても日本は何もよくならない」。公党に対し、のび太のような「消えちまえ」は聞き捨てならぬ▼他党の主張や政策に批判を加えて自分たちの意見をぶつける。それはよい。考え方の違う者同士が互いの意見をぶつけ合い、よ
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