(1)で挙げたようなモノ書き連中への批判としては、私は、丸山真男の『日本の思想』(岩波新書)一冊を読んでおけば足りるのではないかと思う(念のために述べておくと、「筑摩VS岩波」などと考えているわけでは全く無い)。 丸山は、同書の中で、ヨーロッパ的伝統への必死の抵抗として生まれた反語や逆説(丸山は例として、まさにニーチェを挙げている)が、日本のように生活のなかに無常観などの逃避意識がある中では、実生活上の感覚と適合し、現実への反逆よりも順応として機能しやすいことを指摘している。また、丸山は、日本の思想史の特徴として、思想に対する批判を行なう際にその内在的な価値や論理的整合性から批判するのではなく、その思想が現実を隠蔽している、美化している点を暴露することに主眼を置いて批判を展開していることも指摘している。 このほか、丸山は、思想批判の「伝統」として、「イデオロギー一般の嫌悪あるいは侮蔑」「論
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