最近読んで、全くその通り、と思ったチョムスキーの発言を引用しておこう。『チョムスキーとの対話 政治・思想・言語』(ミツ・ロナ編、三宅・今井・矢野訳、大修館書店、1980年。原著は1977年刊)からのものである。 「イデオロギーの分析の場合、視野の広さと知力とがいささかあり、それに健全なシニシズムがあればたくさんだ。たとえば、ぼくたちの社会と同じような社会におけるインテリの役割といった問題をとってみよう。この社会階級は、大学教授、歴史家、ジャーナリスト、政治評論家などをふくむもので、社会の現実を分析し、提示することを任務としている。かれらは、その分析と解釈とによって、社会的な諸事象と大衆とのあいだの仲介者の役目を果たす。すなわちかれらがつくりだすのは、社会生活のイデオロギー的な正当化だ。(中略)イデオロギーの宣伝機構から自分を引き離すだけの用意さえあれば、問題にされている諸現象が透けて見える