アメリカで暮らす主人公のチーが久しぶりに故郷の台湾に戻り、過去と現在を行き来しながら自分の未来を見つけていくストーリー。素朴なタッチの絵が、今を生きる全ての人に寄り添い、優しく語りかけてくれる傑作だ。 祖母が亡くなったという知らせを受けて帰郷したチー。台北郊外にある幸福路は、記憶の中の古里とは様変わりしていた。チーは今、アメリカ人の夫と離婚するかどうかで悩んでいるが、葬儀で会った親戚たちからは「子どもを早く作れ」とせっつかれてうんざり。そんなとき、死んだはずの祖母が目の前に現れてチーを励ます。そう、祖母は生前、チーがピンチになると、いつもそばにいてくれた。物語では、現実の今を描いたパートと、チーが思い出す過去パートが交互に進む。チーは、想像以上に年老いていた両親に気付き、「これからどう生きるか」を、古里で人生を振り返りながら決断する。 絵は、宮崎駿や新海誠の作品のような鮮やかで繊細なそれと
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