最近、Xで「ウェーバーが現代世界をグリップしている」と呟き続けている。どういう着想なのか具体的に説明したい。それは、ウェーバーの理論と命題が、否定できない真理として、目の前の現代世界を貫徹し支配しているという率直な認識と判断である。だが、その中身は、決してポジティブでハッピーな意味で言っているのではない。逆だ。実相としてはきわめてネガティブで厭わしい、理想とは全く逆の、野蛮と地獄と絶望の世界が出現していて、狂気のまま果てしない破壊と暴虐を拡大させている。そのカオスでカタストロフな世界を、知性と思念の力で解読し意味づけようとするとき、ウェーバーの言葉が屹立した啓示としてわれわれに迫ってくるという感覚だ。ウェーバーの学問的意義が明らかに大きくなっている。再びウェーバーを読み学んで考えないといけないときだ。そう確信を覚えて興奮する。 政治学がウェーバーの下に還っている。順番に論じよう。まず、暴力