JASRAC(日本音楽著作権協会)が今年で創立80周年を迎える。ネット上では悪い評判が立ちやすいが、昨年度は史上2位の徴収額の見通しとなるなど、絶好調といえる状況だ。弁護士ドットコムニュースは、2016年から陣頭指揮をとる浅石道夫理事長にインタビューをおこなった。浅石理事長は将来を見すえて事業の改革に取り組んでいる。インタビュー前半は、JASRACの80年の歩みや著作権についての考え方を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・山下真史) ●「絶好調」でも演奏権が根本にある ――まず、JASRAC80周年を迎えて、率直にどのようなことを考えていますか? 浅石道夫理事長(以下、浅石):JASRACは、日本の経済発展と共に歩んできました。(1939年に前身団体が)創立してすぐ第二次世界大戦ですから、実際に活動をはじめたのは、戦後からということになります。それから、戦後復興と経済発展がありました