はじめの一歩には長い歴史があるが、僕が最も好きなのは「鷹村vsブライアン・ホーク」編だ。 やっと巡ってきた世界戦のチャンスを掴むために、本来の階級から5階級も落とすという殺人的な減量をこなす鷹村守。 その一方で、世界チャンピオンのブライアン・ホークはほとんど練習もせず、試合直前まで女と遊び歩いていた。 水も飲めなくなるほどの過酷な減量。 何度も何度も「水を飲みたい」という誘惑に耐え、苦しみ抜いた世界挑戦。 そんな鷹村に対して、セコンドである鴨川会長が鷹村にかけた言葉が、 「努力した者が全て報われるとは限らん。 しかし、成功した者は皆すべからく努力しておる」 この言葉は講談社の標語になったほどの名言だ。 この言葉の重みに読者は皆"すべからく"感動し、涙を流した。 が、この「すべからく」の使い方は間違っている。 「すべからく」というのは「須く」という漢字で書く。 漢文の訓読に由来していて、「須