全国に自分の知らない、食べたこともないお菓子が、まだまだこんなにあるなんて。そして、お菓子の世界は想像していたより、ずっとずっと奥が深くて面白い。 先月、新潮社から発刊された書籍『地元菓子』を読んで、つくづく思った。 本書は、著者の若菜晃子さんが日本全国を旅する途中で出会った、その土地ならではのお菓子=“地元菓子”を紹介したもの。さっそく若菜さんに、この本を作ろうと思ったきっかけを聞いてみた。 「企画として考え始めたのは2、3年前からでしょうか。地方に取材に行くたびに見たこともないお菓子に遭遇するようになり、その多様ぶりに心奪われたのがきっかけです。しかも調べてみると、老舗有名和菓子店の本や手みやげ図鑑、乙女お菓子旅的な本はあるんですが、地方の片隅で静かに愛されている地味なお菓子を取り上げた本は、ほとんどない。 たまにTVや雑誌で取り上げられたとしても、一時的に全国から人が殺到して、お取り