■重要なのはデータを見るセンス 何がいいのか正しいのか、迷うことの多い今日このごろ、「である」と断言してくれる人に出会うとほっとする。だからぼくは西内啓『統計学が最強の学問である』を手に取った。表紙には「データ社会を生きぬくための武器と教養」との手書き文字がある。あまり上手くない脱力系。「最強」「学問」の力強さとのアンバランスがいい。タイトルとデザインの勝利だ。 内容はよくできた統計学の入門書である。この本を読んだからといって、すぐデータ分析できるわけではないから、入門書というより入門の入門。統計学的な考え方を教えてくれる。 そういえば、ビッグデータの時代なのだと誰かがいっていた。コンピュータとインターネットによって、大量のデータを集め、分析することが可能になった。ぼくらは検索したりメールしたりして、せっせとデータを提供している。プロバイダや通信会社に料金を払ったうえデータ提供までしている