![半導体の限界を打ち破る新世代の“真空管”が開発](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a85216c029200156bce710536ee7914608cf59dd/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fpc.watch.impress.co.jp%2Fimg%2Fpcw%2Flist%2F1029%2F102%2F00.jpg)
薄暗い4畳半の作業場。手にしたはんだごての先から白い煙があがり、ヤニのにおいが立ちこめる。 東京都杉並区の雑居ビルの一室が、音響機器メーカー「マックトン」の自社工場だ。社長の松本健治郎さん(82)は半世紀にわたり、真空管アンプを作り続けている。 「時流に逆行しているのは分かっている。でも、真空管が世の中から消えてしまうまでは、ね」 創業したのは1964年の春。街は半年後に控えた東京五輪に沸き立っていた。テレビが爆発的に普及。大量生産、大量消費の時代だった。 アンプはオーディオの心臓部。レコードやCDに記録された音の信号を増幅し、スピーカーを鳴らす。かつては真空管が主流だったが、その頃から、コストが安く、寿命も長いトランジスタへと切り替わりつつあった。
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