前方後円墳や埴輪(はにわ)の出現研究で知られる岡山大名誉教授の近藤義郎(こんどう・よしろう)さん=考古学=が、今年4月5日に亡くなっていたことが13日、わかった。84歳だった。故人の遺志で未公表とし、近親者で密葬を済ませた。自宅は岡山市中区米田24の18。 1925年、栃木県足利市生まれ。49年、京都大文学部史学科卒、50年、岡山大(当時は岡山医大)助手。72年に教授、90年に定年退官した。 76~89年の弥生時代最大級の楯築墳丘墓(同県倉敷市)調査など、吉備地方の弥生墳丘墓や初期の前方後円墳を発掘。出土する祭祀(さいし)用の土器である特殊壺(つぼ)・特殊器台が、大和の最古級の前方後円墳にもある点を指摘。前方後円墳発生に吉備地方がかかわったとした。 89年に三角縁神獣鏡が出土した権現山51号墳(兵庫県たつの市)の発掘では調査団長を務めた。67年に「日本の考古学」で毎日出版文化賞受賞。