霧などで視界が悪い海上に向け、音を出して航行中の船に灯台の位置を知らせる霧信号所(霧笛)が3月末、全国で廃止される。所管する海上保安庁の廃止計画に伴う措置。本州で唯一残っていた宮城県女川町の離島・出島の四子ノ埼灯台も対象となる。漁業者からは継続稼働を望む声が根強く、県漁協女川町支所は新設も視野に検討している。 霧笛の廃止は、海上保安庁が2007〜09年度の3カ年計画で実施。船の衛星利用測位システム(GPS)など航海計器の機能が向上したと判断、廃止に踏み切った。 出島の霧笛は1951年に設置。「ウォーン」という独特の音を響かせ、海上で方向が分からないでいる船の羅針盤となってきた。 三陸沖は濃霧が発生しやすい。特に3〜9月は霧が濃くなることが多く、二管本部は霧情報を出すなどして船舶に警戒を呼び掛けている。 島でホタテなどの養殖業を営む阿部博行さん(60)は「悪天候で作業中に突然前が見え