ジオ・エンジニアリングという「劇薬」2010年5月18日10時1分 印刷 ソーシャルブックマーク 地球工学(ジオ・エンジニアリング)という言葉を最近、よく目にするようになった。地球温暖化が二酸化炭素の排出抑制などでは手に負えないほどの事態になった時に、人工的に地球環境を改造する技術を駆使して、緊急対応する。それが、地球工学オプションである。たとえば、太陽光を反射する微粒子を成層圏に散布したり、巨大な人工雲を地球周回軌道に浮かべたりして、地球大気内の熱を下げるオプションだ。 今の地球環境は、「地球が太陽から受けとる光線」と「地球が宇宙へと反射する熱量」の微妙な均衡のうえに成り立っている。地球工学オプションによって、受け取る光線に対する反射熱量の比率を約1%上昇させるだけで、大気中の二酸化炭素濃度が2倍に増えた場合の温暖化を相殺できるほどの効果を期待できる。しかも、成層圏に微粒子をまいた場合を