経営危機に陥ったシャープは23日、定時株主総会を大阪市で開いた。総額2250億円の優先株発行や資本金を5億円に減らす大幅減資など、すべての議案を可決した。これらの施策で累積損失を一掃できるが、借入金を一部減らせても財務の不安はつきまとう。 一時は世界の液晶テレビの半分を販売する「液晶王国」を築き上げた。強みとする液晶パネルを独自開発し、自社製品に活用。商品とデバイスを融合させる「スパイラル戦略」と呼ぶ経営で、ブランド力向上や技術革新をうまく進めてきた。 その後、リーマン・ショックを経て市場環境は激変した。電機各社は利益が出ない事業から手を引く「選択と集中」に踏みだし業績回復を果たした。一方、シャープは液晶産業をつくった自負が強すぎ、もうからない看板事業にしがみついた。結果として、慢性的な赤字体質から抜けきれない。電機大手の財務指標と比較しながら、追い詰められたシャープの姿を照らし出す。 電
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