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ブックマーク / k-onodera.net (2)

  • 『アンストッパブル』は映画そのものでありアメリカそのものである

    トーマス・エジソンよりも、よりリュミエール兄弟が、「映画の父」として我々に親しまれるのは、その発明時のいきさつや進化の過程、その妥当性というよりむしろ、彼らの芸術的感性が、現代の「映画と呼ばれるもの」に非常に近いところにあったからだと思われる。 観客がパニックに陥り客席から逃げ出したという『列車の到着』は、映画の黎明であったと同時に、人々の恐怖や興奮にうったえる「アクション映画」の始まりでもあった。 記念すべき「アクション映画」が、列車を題材にスタートするというのは、非常に示唆的だといえる。 映画を美学的なものとしてとらえたとき、その特長…つまり、現実のパースペクティヴと、現実の運動を、これ以上ない写実的正確さで平面に再現することが可能なのだ…ということを明示し表現するうえで、「列車」という題材ほど、それに適ったものはなく、また、そこに直感的に気づいたリュミエール兄弟の感性にも驚かされるの

    『アンストッパブル』は映画そのものでありアメリカそのものである
  • 『風立ちぬ』人生の美しき罠

    友だちっていうのは、毎日ご飯を一緒にべたりとか、そういうレベルのもんじゃない。当の友だちっていうのは、離れていたっていい、会わなくったっていいんだよ。まったく知らなくてもいい。そういうものだよ。 「細野晴臣のぶんぶく茶釜『友だち。』より」 風の吹く美しい草原の中にいる、少年・二郎。そこには、少年の憧れる飛行機が大挙して飛んでいる。学校の教師が貸してくれた、イタリアの雑誌に載っていた機体達だ。二郎はこの場所が夢の世界であることに気づく。そこで二郎は、飛行機製作に燃える、不敵な笑みをたたえた男・カプローニ伯爵と邂逅する。 このジョヴァンニ・バッチスタ・ジャンニ・カプローニ伯爵というのは、実在の人物であり、第一次大戦中に爆撃機や輸送機の生産で名を馳せたイタリアの革新的天才設計家である。 「ここは私の夢の中の筈だが…」「僕の夢でもあります」「そうすると、夢と夢がくっついたというのか」 この草原

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