1970年代末にパンクバンド、アーント・サリーでデビュー。実験的な音楽で知られるPhew(フュー)の新作(フェリシティ)。 アナログのシンセサイザーや古いリズムボックスによる乾いた質感のサウンドが特徴的だ。「もともと好きだったんですが、円高だった頃、昔の機材を買い始めたんですよ」と笑う。 むき出しの機械的な音が聴覚を強く刺激する。「感傷的なメロディーや言葉が苦手。そういうものを聴いて、めそめそ泣くのは病的な感じがします」。心に深い傷を負った人が、情緒的なものに救われる感覚は分かる。「でも、そうじゃないのに泣くのは、申し訳ないです。元気なんだから、がんばらないといけない」 語るように歌われる詞も独創的だ。表題曲では「膨大な電気エネルギーの集中 いわば流動コンデンサーのようなもの」と歌う。心情というより、物理的な運動とその人間への作用という面を描いた。また「1970年代末によく聴いた」という米