kenzee「前回の続き。小沢健二さんの歌詞とはなんだったのかのその2。前回、村上春樹のデビュー時における日本語小説へのアプローチと実験の話で終わった。村上はデビュー作をまず、タイプライターで英語で書いた。それを原稿用紙と万年筆で自分で日本語訳していった。結果、今でも議論の分かれる「乾いた文体」が生まれたのである。まず、すでにアルフレッド・バーンバウムによって英訳されたデビュー作「Here The Wind Sing」から有名なチャプター11のシーンを読んでみよう。N・B・EポップステレフォンリクエストのDJのオープニングトークだ」 DJらしいカッコいい響きの英語であることがおわかりいただけるだろう。英語の優れた点は「Greatest Hits Request Show,~NEB Radio」のようにルーズな発音だとあまり意識しなくても簡単に韻が踏めるところだ。この英語の小説の作者は「カッ