米IT誌「ワイアード」編集長のクリス・アンダーソン氏の書籍「フリーからお金を生みだす新戦略」は2009年11月26日の発売以来、増刷を重ねて7刷、発行部数は12万部に達した(1月27日の取材時点)。同書の発売前には、書籍の全文を収録したPDFの1万人限定の無料ダウンロードといった積極的なネットマーケティング施策が行われた。その背景や成果を、刊行元である日本放送出版協会(NHK出版)の編集局学芸図書編集部の松島倫明氏に聞いた。 発行部数が12万部、これは類書と比較してどういう価値があるか。 最近の翻訳書、単行本の売れ行きとしては非常にいい。350ページもの大著でこれだけいったのは珍しい。ここまで受け入れられるとは考えていなかった。 ヒットの要因はどこに。 1つはネットワーク効果。早いうちにアマゾン(Amazon.co.jp)の1位や、ビジネス書が一番売れる丸善丸の内店で1位になったことで、話