パナソニックホールディングス(HD)が成長なき40年からの脱却を目指す中で、家電を扱う大黒柱の新パナソニックは安売りとの決別へと動いている。開発陣の「マイナーチェンジ地獄」につながっていることを反省し、業界の慣習を自ら壊す。=文中敬称略 ■この連載ここまで (1)パナソニック、思考停止の殻どう破る トップ楠見の戦略 (2)イーロン・マスクの速さに学べ パナソニック、電池100年目の脱皮 「このパナソニックの冷蔵庫は値引きできないんです」 家電量販最大手、ヤマダホールディングスのヤマダアウトレット&ホビー館野田店(千葉県野田市)。店長の萩野谷信頼は、価格をどれくらい安くできるか聞かれるたびに、それはできないのだと説明する。店頭には、最上位モデルの冷蔵庫で税込み36万6300円の「NR-F658WPX」などがずらりと並ぶ。 メーカーが価格を指定する パナソニックが2022年4月に持ち株会社制と