48個の炭素が正六角形を作りながらベルト状に並んだ 「カーボンナノベルト」 と呼ばれる分子。およそ60年前から理論上は合成できると言われながら、世界中の化学者がなかなか作り出せなかったその“夢の分子”の合成に、名古屋大学の研究グループが世界で初めて成功しました。カーボンナノベルトを使えば、“夢の素材”と呼ばれている物質、「カーボンナノチューブ」を現在の方法よりも質を高めて作製できる可能性があります。カーボンナノチューブは、炭素の原子が筒のような形に並んでできる物質で、軽い上に鉄を上回る強度があり、電気を効率よく通す特性を持っていることから、スマートフォンのタッチパネルなどの材料として実用化が進められています。合成を確認した瞬間、歓喜に沸いたというカーボンナノベルトの研究の現場を取材しました。(名古屋放送局 松岡康子記者) カーボンナノベルトの合成に成功したのは、 名古屋大学大学院理学研究科