テリーザ・メイ英首相は6月8日の総選挙で、「強力」かつ「安定」した政権の樹立を約束したはずだった。だが、こんなに事態が深刻でなかったら、笑いたいくらいメイ首相が約束したことと真逆なことが起きた。 ドナルド・トランプ米大統領は、「米国は世界の嘲笑の的になっている」との思いに駆られているようだが、英国こそがまさにお笑い草そのものだ。デービッド・キャメロン前首相は、EU(欧州連合)離脱を巡り全く不必要な国民投票を実施し、その後を継いだメイ氏は、支持基盤を強化するどころか自らぶち壊した。世界の目には、英国はまるで無茶苦茶をやっているように見えるだろう。 また、メイ氏はEU離脱交渉について「悪い合意を結ぶくらいなら、何の合意もない方がましだ」と言っていたが、この選挙の結果で、「何の合意もなし」という事態に陥る可能性は高くなった。これは英国にとってもEUにとっても悲惨な事態を意味する。 皮肉なのは、総