「論理と顕微鏡。それが彼の凶器」――。 高度な手術で難病を治すでもなく、患者の声に耳を傾け、ともに病気と闘うわけでもない。彼はただひたすらに顕微鏡を覗き、データと証拠を集める。病気の原因を調べ診断を下す、日本にわずか2000人しかいない病理医を主人公にした、まったく新しい医療漫画『フラジャイル』(原作・草水敏、漫画・恵三朗『アフタヌーン』誌上で連載中)が話題だ。 (コミックス第一巻の冒頭部を現代ビジネスでも公開中。こちらをクリック) 現在、単行本は5巻まで発刊されており、この1月からは長瀬智也主演でドラマ化もされている(フジテレビ系で毎週木曜日午後10時~)。 ドラマはいよいよクライマックスを迎えるが、そもそも原作者の草水敏氏は、なぜ病理医学という特殊な世界にスポットライトを当てたのか。漫画製作の舞台裏を覗いてみよう。 既存の医療ドラマに違和感があった 「なぜ病理医というなじみのない職業を