■キンドルが読書を変える 未来の姿を垣間見せてくれる商品がときどき生まれる。前回の本欄ではアップルの「iPhone(アイフォーン)」を取り上げたが、今日はアマゾンの電子書籍端末「キンドル」をご紹介しよう。先週の本紙連載「なぜ本は売れないのか」は、日本の出版流通における返本問題、委託販売制から責任販売制への動き、ネット書店の成長や小売りの新しい工夫など、たいへん興味深い「日本の読書のいま」が報告されていた。しかし米国発のイノベーションはいつももっと過激だ。そして過激だからこそ物事の本質を浮かび上がらせる。キンドルを手がかりに「読書の未来の姿」を考えてみよう。 米国ではキンドル(299ドルと489ドルのモデルがある)を購入すれば、新刊書の大半が「紙の本」よりも格安の9・99ドルで、いつでもどこからでもネットにワイヤレス接続して瞬時にダウンロードできる。しかも著作権の切れた作家の全集などは、無料
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