【ニューヨーク=松尾理也】米有力紙ニューヨーク・タイムズと、同じくニューヨークに拠点を置きながら経済紙としてすみ分けてきたウォールストリート・ジャーナル(WSJ)との「全面対決」が迫っている。ジャーナルを率いるオーストラリア出身のメディア王、ルパート・マードック氏はこのほど、社会、文化、政治の側面から地元ニュースを掘り下げる「ニューヨーク面」を創設し、タイムズに挑戦する方針を明らかにした。大胆な戦略で世界を驚かせ続けてきたマードック氏の野望が実現するか、注目が集まっている。 マードック氏は3月初め、ニューヨーク市内での会合でスピーチを行い、以前からうわさにのぼっていたWSJのニューヨーク地域面新設を確認した。 「賞や世評に気を取られ、かの日刊紙(タイムズ)はかつてのように(地道に)街を掘り下げなくなった。われわれは、ニューヨークという世界でもっとも魅力的な街に注意を払わないという過ちは犯さ