はじめに 『SPA!』の7月19日号に掲載されている「大人気アニメ『まどか☆マギカ』の正体」という特集記事が話題になっている。この中では、宮台真司・宮崎哲弥・八代嘉美・森川嘉一郎・磯崎哲也(敬称略)という、思想も職歴も全く異なる5人の論者が『まどマギ』の評論を行っている。それらが非常に興味深かったので、彼らの評論を私なりに解釈してみることにした。 今回はまず、宮台真司と宮崎哲弥の評論について見てゆくことにしよう。 宮台真司 『まどマギ』が東日本大震災の影響で放送延期になって以来、いくつものアニメ考察ブログなどで本作と震災との関連が指摘されてきた。そこで述べられているのは、例えば、震災後も続く「日常」についてであったり、善意が裏目に出る厳しい現実についてであったりする。 3.11の前と後で、世界は微妙に変わったが、幸か不幸か我々の大多数が3.11以後の世界にも存在しているという揺ぎ無い事実は