評論家・宇野常寛が10月26日に刊行した『母性のディストピア』。KAI-YOU.netでは、本書に関連した連続インタビューを公開している。 第3回目となる今回は、いよいよ『母性のディストピア』本論でもメインモチーフとなる3人のアニメーション監督・宮崎駿、押井守、富野由悠季の3人へと細かく言及していく。 それぞれがアニメや映画という領域だけでなく、様々な表現や創作の分野に影響を与えた、日本を代表するクリエイターとも評価される3人だが、意外にも彼らに対する本格的な批評・論文は多くない。 今回は宮崎駿と富野由悠季の差異、そしてそれぞれがどのように「母性のディストピア」と対峙していったのかを作品論から解き明かしていく。 取材/インタビューテキスト:碇本学 文:米村智水 帰っていかないトトロの可能性 ──今回取り上げている3人の作家について聞いていきたいのですが、先ほど話にあがった宮崎駿さんだと、宇