今年80歳になる演出家・蜷川幸雄は昨年、香港公演中に倒れ緊急帰国、しばらく入院していたが、退院後ややペースを落としながらも止まることなく演劇をつくり続けている。 いまは藤原竜也主演の「ハムレット」は台湾公演を行ったばかり、5月にはそのロンドン公演が控える。 4月5日からは、次世代の若者たちで構成されたさいたまネクスト・シアターのメンバーとつくる「リチャード二世」が開幕。 さいたまネクスト・シアターは結成から7年、公演のたびに、まるで春、一夜にして桜が咲き誇るような清冽な驚きをもたらしてくれている。 「リチャード二世」も、稽古場で様々なトライを積み重ねてできあがりつつある中、主役・リチャード二世役に抜擢された新鋭・内田健司に密着取材してみた。 「内田けんじ」という監督がいるが、彼は「うちだけんし」と読む。前述の「ハムレット」にも出演、ハムレット亡きあと、次世代を担う王子フォーティンブラスを演