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ブックマーク / ecrito.fever.jp (7)

  • 深田晃司インタビュー:連載「新時代の映像作家たち」

    深田晃司による新作『海を駆ける』(2018年)は『ほとりの朔子』(2014年)、『淵に立つ』(2016年)に続く「水辺」三部作ともいうべき作品となった。前二作が河辺を象徴的な場所として描いたのに対し、『海を駆ける』はまさしく「海辺」で展開される。『ほとりの朔子』で「ここではないどこか」として描かれたインドネシアへと実際に舞台を移し、その物語は展開されていく。そこでは監督が影響を公言する、エリック・ロメールさながらのヴァカンス映画が展開されるだろう。「日常」を撮ることへのこだわり、あるいはロメールや成瀬巳喜男、そして平田オリザからの決定的な影響について、演劇/映画小説の差異、演技・演出論、そして日映画の現状について監督に聞いた。 (聴き手・構成 伊藤元晴、山下研) 『海を駆ける』と『ほとりの朔子』 ――深田監督は『海を駆ける』について、『ほとりの朔子』(2013年)の続編のような作品にな

    深田晃司インタビュー:連載「新時代の映像作家たち」
    akihiko810
    akihiko810 2021/08/14
    深田晃司による新作『海を駆ける』(2018年)は『ほとりの朔子』(2014年)、『淵に立つ』(2016年)に続く「水辺」三部作ともいうべき作品となった。
  • 「平岡正明論」の再設定――大谷能生×後藤護×吉田雅史 鼎談

    大谷能生による『平岡正明論』が、ele-king booksより5月30日に刊行された。大谷能生にとっては『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』以来の、5年ぶりの単著になる。同書は、ジャズのみならず政治思想、第三世界革命、歌謡曲、極真空手、河内音頭、浪曲などを対象に縦横無尽の思考をハイペースで書き残し続けてきた「戦後最大スケール」の批評家・平岡正明の生涯と著作を丹念に辿っている。2009年に逝去した平岡正明だが、その再評価の機運は高まりつつある。昨年11月に刊行された『ヱクリヲ7』「音楽批評のオルタナティヴ」では、平岡をジャズからHIPHOPへの再接続を企図した後藤護「レアグルーヴ、平岡正明」が掲載され、同特集に参加した吉田雅史もまた当初は平岡正明論を準備していた。 残した著作は120冊を超える、大思想家でもあった平岡正明の可能性はどこにあるのか。大谷能生・後藤護・吉田雅史の3名による

    「平岡正明論」の再設定――大谷能生×後藤護×吉田雅史 鼎談
  • やがて来る〈危機〉の後のドラマ――濱口竜介論

    0.  導入 この連載は「『新』時代の映像作家たち」と銘打たれているが、果たして私たちは「新しさ」についてどのくらいのことを知っているだろう。ある芸術作品がそれまでの作品にないなにかを持っているのだとしたら、その「新しさ」はどこからやってくるのだろう。そう、つまり新しさとは作り出されるのではなく偶然やってくるものなのだ。あるときはどれだけ待ってもやってこず、あるときは全くこちらの気も知らないで突然やってくるかもしれない。稿はそんな新しさとの戦略的な出会いに取り組む一人の作家をめぐるものだ。 2014年、後に国内外での絶賛を獲得する濱口竜介監督『ハッピーアワー』(2015)の企画は神戸で17人のプロではない俳優を集めてのワークショップとして始まった。当初1ヶ月ほどの予定だった撮影は8ヶ月に延び、2時間半ほどを予定していた編は5時間を超える超大作に仕上がる。おそらく企画者の誰一人、このよう

    やがて来る〈危機〉の後のドラマ――濱口竜介論
    akihiko810
    akihiko810 2020/04/14
    「ハッピーアワー」
  • 濱口竜介インタビュー:連載「新時代の映像作家たち」

    濱口竜介にとって、初の商業映画となる『寝ても覚めても』(2018)が9月1日(土)より全国上映された。その名を世に知らしめることになった5時間17分の傑作『ハッピーアワー』(2015)、あるいはその後に撮られた驚嘆に値する短編『天国はまだ遠い』(2016)に続く同作は、これまで濱口が先鋭的に問い続けてきた「カメラの前で演じること」という主題の一つの到達点となっている。批評家・蓮實重彦は同作に対して「日映画第三の黄金期」という最大級の賛辞を贈った。『PASSION』(2008)以後に前景化した演技への関心は作にどのように結実したのか、職業俳優との現場で起きることや牛腸茂雄『SELF AND OTHERS』(1977) について、あるいはジョン・カサヴェテスへの偏愛など、この特異な作家の実像に迫った。 (聞き手/構成 伊藤元晴、佐久間義貴、山下研) 『寝ても覚めても』はいかにして撮られたか

    濱口竜介インタビュー:連載「新時代の映像作家たち」
  • 山戸結希インタビュー(『ホットギミック ガールミーツボーイ』):連載「新時代の映像作家たち」

    山戸結希自ら企画・プロデュースを務めた『21世紀の女の子』(2018年)に続き、長編としては第5作目となる『ホットギミック ガールミーツボーイ』(2019年)が公開された。大学在学中に発表された初監督作品『あの娘が海辺で踊ってる』(2012年)以来、一貫して山戸結希は「女の子」の物語を撮り続けている。作『ホットギミック ガールミーツボーイ』では、堀未央奈が演じる主人公の初(はつみ)と、複数の「男の子」の関係性が描かれる。これまでの監督作品からのテーマの変遷、撮影における方法論、その特異な台詞構成などを伺った監督へのインタビューをお送りする。 (取材・構成:伊藤元晴、山下研、若林良) 『ホットギミック ガールミーツボーイ』が描くもの ――成田初(はつみ)役を演じた堀未央奈さんのキャスティングは、山戸監督たっての希望と伺いました。堀さんをキャスティングした理由を教えて頂けないでしょうか。 山

    山戸結希インタビュー(『ホットギミック ガールミーツボーイ』):連載「新時代の映像作家たち」
  • 小森はるかインタビュー(『空に聞く』):連載「新時代の映像作家たち」

    「ロビンソン・クルーソーのようにも、ドン・キホーテのようにも」1というフレーズは、『息の跡』(2016)を見た者にはとりわけ連想のしやすいイメージだろう。震災後の陸前高田に移住した若いアーティスト小森はるかは、自らの被災体験を忘れまいとする「佐藤たね屋」の主人佐藤貞一さんの活動をヒロイックなドキュメントとして撮り上げた。以来、小森は瀬尾夏美との共作も含めて一貫して「何か」が思い出される瞬間のドキュメントを撮り続けた。陸前高田で災害FMを通じて被災者の生活を記録し続けたラジオパーソナリティー阿部裕美さんの活動を追いかけた新作『空に聞く』(2018)、瀬尾との共作『二重のまち/交代地のうたを編む』(2019)でも一層濃密な記憶と土地を巡るドキュメンタリーを製作し続ける彼女に話を聞いた。(聴き手・構成:伊藤元晴、山下研、若林良) 東北に住みながら制作する ――今日は新作『空に聞く』について伺わせ

    小森はるかインタビュー(『空に聞く』):連載「新時代の映像作家たち」
  • 『ラ・ラ・ランド』と青の神話学 ――あるいは夢みる道化のような芸術家の肖像 (フール・ロマン派篇)

    「私はきっと忘れない、あの情熱の炎を」 ミア・ドーラン「夢みる道化」 「願い焦がれることが多くの人々を愚者にする」 オウィディウス『エロイード』 「青」の観念史――ロマンティック・ブルーを中心に 「青は魂の輝きである」R・シュタイナー 『ブルーに生まれついて』(16)というチェット・ベイカーの伝記映画は、ジャズメンと売れない女優の恋、つまり芸術か恋愛かの葛藤といったテーマを、同年公開の『ラ・ラ・ランド』と共有している。とはいえ最も強調されるべきポイントは両作品を貫く色である「青」の象徴性であろう。ブルース(ひいてはその発展としてのジャズ)の「青」であり、憂ブルースの「青」であり、尚且つロマン派の「青」だ[1]。 『ラ・ラ・ランド』で最も印象に残る「青」といえば、リヌス・サンドグレンの撮影によるナイト・シーンの闇の深い「青」かもしれない[2]。パーティーに参加しているあいだ路上に止めていた

    『ラ・ラ・ランド』と青の神話学 ――あるいは夢みる道化のような芸術家の肖像 (フール・ロマン派篇)
    akihiko810
    akihiko810 2018/01/25
    批評誌エクリオ
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