『鼻下長紳士回顧録』で描く娼婦と奇異な欲望を持つ紳士たち｜季刊エス インタビュー｜安野モヨコ
「季刊エス」Vol.51 2015 Autumn に掲載された安野モヨコのインタビューをnoteに再掲載いたします。インタビューの内容は2015年の掲載当時のものになります。（スタッフ） 安野モヨコはこれまで週刊連載をはじめ、たくさんの漫画を描いてきた。しかしここ数年は活動の場をすこし変えている。『オチビサン』のカラー漫画や絵本、「まめつぶ屋」の雑貨、ポショワール絵の展示、インターネットではInstgramでスケッチを発表、そして「美人画報」シリーズの新作「微沈画報」やよろず人生相談『ともしび相談会』も読めるメルマガ。 漫画以外のいろんな形で、作家の絵や言葉に触れられるようになった。漫画家はその気になれば、いろんな活動が出来るのではないか。安野モヨコの最近の動向を見ていると、そんな可能性に気づかされる。 しかも作家個人の表現を見つめられるような親密さが伝わってくるのが魅了的だ。 そして、安
『【感想】やまだないと『エロマラ』～猫原理といのちとブレ～』
やまださんのマンガの特徴のひとつに、性描写のときに絵が震動をうけているようにブレてかすれるというものがあります。 たぶんコンピューター処理でブレさせていると思うんですが、それがセッ クスの震動やパワーとして出力したブレというよりは、キャラクターの輪郭がブレ、明滅してゆくことにより、キャラクター自身の生命としてのエネルギーが画として奪われていっていることが大事であるようにおもいます。 このやまださんの『エロマラ』という短編集のなかに、セッ クスをしないと生きていけない女の子がでてくるんですが、その不特定多数の相手とのおびただしいセッ クスのなかでエイズとは明言されないもののあたかもエイズのような、しかしエイズとはちがい発症も断然にはやい感染症の病気がでてくる。 そのとき実質的にセッ クスは生命の充実というよりは、みずからの生命を奪い取るものとしてでてくる。 だからこそ、彼女がはじめて「すき」
イタリアーンなマンガ：ミロ・マナラの詩情 - 漫棚通信ブログ版
最近、イタリアのコミックに凝っています。 きっかけとなったのは、エロ。 世界中のエッチでエロティックなマンガを探して日々ネットをさまよっているひと（←わたしだ）がいろいろ調べてみると、エロティックマンガ界の国際的ビッグネームにはイタリア人が多い、ことを発見することになります。 女性を美しく描く、というのはイタリアの伝統なのかもしれませんが、とくにイタリアでエッチなマンガが発達したのには理由があるようです。 1960年代後半から1970年代にかけて、イタリアではエロマンガのブームがあったのですな。 これは日本の「三流劇画」ブームと似たところがあったようです。このブームの仕掛け人はレンツォ・バルビエリ Renzo Barbieri というひとりの編集者でした。 バルビエリが始めたフュメッティ・タスカビーリ fumetti tascabili（ポケット版コミックブック）はごく普通に街角のスタンド
イタリアのアダルトマンガ家グイド・クレパックス - Magazine > Comics - あらかると - design room lef
今年国会図書館をあさっていたときかつて海外コミックス情報誌としてでていた「ＷＯＯ」をみた。 そこでエロティクなマンガの「バレンティノ」が掲載されていた。以前もみた記憶があったのだが、それがどこでか判然としなかった。 たまたま、吉行淳之介のエッセイ（『街角の煙草屋までの旅』講談社文芸文庫 ２００９年）を読んでいたら、滝田ゆうについての原稿で、なぜかイタリアのマンガ家のクレパックスの「ビアンカ」の絵のうまさに感嘆するくだりがでてくる。 線の更新な冷たい切れ味のために、エロティシズムはあったがエロはないと語っている。 そうだ「クレパックス」だと思い直し、検索してみるといくつか情報を得ることができた。 ↑ＳＭ的な展開の「バレンティノ」 すべては1972年の《ルッカ8》から始まった （小野耕世） http://www.nttdata-getronics.co.jp/profile/lits/lits
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