「30年以内に70~80%」とされる南海トラフ地震の発生確率が「水増し」されているとする問題で、橋本学東京電機大特任教授が6日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見し、政府の地震調査委員会が公表している全国地震動予測地図について「低確率の地域の防災が手薄になる実態があり、公表はやめた方がいい」と主張した。
ロシアのプーチン政権による侵略開始から3年目に入ったウクライナ。民族と国家の存亡をかけて、果敢に抵抗を続けるウクライナの社会に最も精通した日本人といえば、首都キーウでウクライナの国営通信「ウクルインフォルム」日本版編集者の平野高志氏(42)を置いて他にいないだろう。平野氏は3日、ウクライナの市民社会をテーマにした論文で「ウクライナ研究会」(岡部芳彦会長)の研究奨励賞を受賞したばかり。ウクライナのメディアや社会、対ロ関係、日本の支援への反応などについて縦横無尽に語ってもらった。(編集委員・常盤伸) 平野高志 1981年生まれ。東京外国語大学ロシア・東欧課程卒。リビウ国立大学修士課程(国際関係学)修了。在ウクライナ日本大使館専門調査員を経て、2018年以降、ウクルインフォルム通信日本語版編集者を務める。キーウ在住。著書は「ウクライナ・ファンブック」。写真家としても活動中。
なぜ女性は「昇進」できないのか。 川崎市職員の佐藤直子さん(50)は長年、自治体職員として働きながら感じてきたモヤモヤの正体を解明しようと、自治体の女性職員のキャリア形成などについて大学院で研究に取り組んでいます。女性は昇進したがらない? 女性管理職が就く部署は決まっている? 現状の背景には何があるのか、変えていくことはできるのか、話を聞きました。(小林由比、北條香子) 佐藤直子(さとう・なおこ) 川崎市こども未来局青少年支援室子どもの権利担当課長。1998年入庁後、児童館での青少年健全育成業務、公務災害・通勤災害事務、区役所での市民協働まちづくり業務、総合計画などの庁内調整事務、市長への手紙、コールセンターなどの公聴担当、幼児教育担当などを担当してきた。自身を含めた女性職員のキャリアパスに関心を持ち、2018年から研究を開始。22年4月から埼玉大経済経営系大学院博士後期課程。専攻は労働経
4日の参院予算委員会では、自衛隊の戦車やミサイル生産を受注する三菱重工業が自民党に政治献金し、経営幹部が政策に影響を与える防衛省の有識者会議のメンバーを務めていることを巡って、質疑が繰り広げられた。立憲民主党の辻元清美氏は、利害関係者を有識者会議に入れるのは控えた方がいいと追及。岸田文雄首相は「寄付によって左右されるものではないと考えている」と述べ、問題ないとの認識を示した。(川田篤志) 辻元氏は、防衛省、自衛隊の元幹部や大学教授ら計17人で構成する「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」のメンバーに三菱重工の宮永俊一会長を選んだ政府の対応を問題視。「防衛省と利害関係者じゃないか。企業のためにも利害関係者は入れない方が良い」と指摘した。首相は「実際に防衛産業に関わっている方から意見を聞くのは不自然ではない」と主張した。 防衛力の抜本的強化に関する有識者会議 2022年12月に閣議決定した国
2015年7月、群馬県桐生市に住む黒田正美さん=仮名=の携帯電話が鳴った。声の主は同市福祉課の職員だった。 当時、黒田さんは30代後半。父の杉本賢三さん=仮名、当時(61)=と市営住宅で同居していたが、結婚で独立し、杉本さんは単身生活を送っていた。駆け付けると、ライフラインは全て止められ、石油ストーブの燃焼筒に外で拾い集めた木くずを入れてマッチで着火し、わずかに残ったコメを煮炊きしていた。窮状を見かけた近所の住民が市へ通報したのだという。 杉本さんは料理人として働いていたが、心臓疾患などによる体調悪化で就労困難な状態が続いていた。黒田さんは市福祉課に相談したが、「家族で支え合って」「実家に戻りなさい」と相手にしてもらえなかった。同年8月、杉本さんはやむを得ず市内の実家で暮らす妹、黒田さんにとっては叔母の家に身を寄せる。
過激なポーズや未成年の出演が確認された「水着撮影会」が埼玉県営プールで開かれていた問題で、所沢市の市民団体が2日、市内で「若い女性の半裸を撮影するイベントが公共施設で開催されていることを知って、県に意見を出してほしい」と街頭で呼びかけた。 街頭活動をしたのは「所沢市民が手をつなぐ会」。メンバーの荻原みどりさん(75)は「女子中学生のモデルに、男性が何十人も群がって撮影する様子をネットで見て驚いた。性を商品化した営利目的の撮影会を、なぜ県の施設でやらせるのか疑問だ。県民として恥ずかしい」と話した。荻原さんらの呼びかけに「今度中学生になる娘がいるので関心を持った」と話す通行人の男性もいた。 撮影会が開かれていた3カ所の県営プールを管理する県公園緑地協会は昨秋、有識者の検討会を設置。検討会がまとめた提言をホームページで公開し、県内在住・在勤の人を対象に6日まで意見を募集している。その後、新ルール
人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(60)の女性への性的行為強要疑惑を巡る記事が「週刊文春」に掲載され、松本さんが芸能活動を休止したことについて、所属する吉本興業の広報担当者は17日、本紙の取材に「(松本さんが)強制的に性行為をしたとは思っていない」と述べた。松本さんが女性らとパーティーを開いていたことは否定しなかった。同社が記者会見を開く予定はないとした。 吉本興業は先月27日、「記事は客観的事実に反する」とする談話を公表。「タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損(きそん)する」と主張していた。広報担当者は「パーティーの開催自体を否定したのではない」とし、17日時点でも週刊文春を提訴するかどうかを含め、対応を検討していると説明した。 同誌は先月末から疑惑を報じ、今月に入っても複数の女性や芸能関係者らの証言を掲載している。吉本興業の広報担当者は「(今後の報道などで
「わたしはにんげんです。ろぼっとではありません」。千葉地裁の法廷で昨年10月、原告席のガーナ人男性(33)が切り出した。全てひらがなで書かれた陳述書を、片言の日本語でゆっくり読み上げる。
石川県で最大震度7を観測した能登半島地震では、被害が甚大な輪島市や珠洲市など奥能登地方を中心に道路の損壊が激しく、通信状況も悪化したため、行政や自衛隊が避難所に支援物資を届ける作業がスムーズに進まなかった。また、行政の指定避難所に入れなかった被災者らは自主的に避難所を開設し、自力で物資を調達ししのいでいた。発生から8日で1週間。避難所の課題を探った。(高橋雅人、武藤周吉、郷司駿成、加藤壮一郎)
不適切な生活保護費の支給が問題となっている群馬県桐生市が、20代の男性受給者に市との委託契約関係がない県内の民間団体を紹介し、保護費の管理を委ねるよう勧めていたことが分かった。男性と契約した団体は通帳と銀行印を預かり、保護費全額を渡さず、一部だけを月2回男性が自由に使える口座に振り込んでいた。専門家は「保護費を公的団体ではなく、権限がない第三者が預かる運用は通常あり得ない」と指摘する。(小松田健一)
2023年最後の取引となった大納会の29日、東京株式市場は日経平均株価(225種)が前年末に比べて7369円67銭高い3万3464円17銭で取引を終えた。年末の株価としては過去最高だった1989年以来、34年ぶりの高値となった。業績好調な大企業は株式市場をけん引した半面、稼ぎを人件費に回す割合「労働分配率」は4割ほどと過去最低の水準だ。識者は「大手企業は賃金に回せる余裕がある」と指摘する。(押川恵理子) 労働分配率 企業の生みだした付加価値が、どれだけ働く人に還元されているかを示す割合。高いほど働く人への配分が手厚いと言えるが、高過ぎると経営を圧迫する。本紙は財務省の法人企業統計(金融、保険業を除く)をもとに、人件費を付加価値(経常利益、人件費、減価償却費などの合計)で割って、分配率を算出した。ほかに、経常利益の代わりに本業のもうけである営業利益を使う算出方法や、雇用者報酬を国民所得で割る
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